ショック症状の児童、学校が自己注射薬使わず(読売新聞)

 兵庫県姫路市の市立小学校で1月、食物アレルギーの男児が給食を食べて急性反応・アナフィラキシーショックを起こした際、学校が保護者から預かっていた緊急用の注射薬を使わずに119番、搬送直前に駆けつけた母親の注射で回復していたことがわかった。

 文部科学省は昨年、ショック状態の児童生徒には教職員が注射をしても医師法に触れない、との通知を出していたが、学校側には正しく伝わっていなかった。専門家は「学校の危機管理の問題。症状が重い場合は、ためらわずに教職員が注射を」と呼びかけている。

 市教委によると、男児は1月15日の給食で脱脂粉乳入りのすいとんを食べた後、目の周りが赤くなる症状や頭痛、嘔吐(おうと)などを訴えた。学校は、症状を和らげる自己注射薬を保管していたが、「注射する取り決めを保護者と交わしていない」などとして使わず、119番。連絡で駆けつけた男児の母親が、学校を出る直前の救急車に乗って注射を打つと男児の症状は軽快し、2日間の入院で回復した。

 自己注射薬は、円筒形容器の先端を太ももに強く押しつけると針が出て、薬剤が体内に入る仕組み。服の上からでも打てる。男児については、食育担当教諭と保護者が給食の献立表でアレルギー食材の有無を確認していたが、この日は脱脂粉乳が入っているのに気付かなかったという。

 文科省は、アナフィラキシーショックで危険な児童生徒に対しては、教職員が自己注射薬を打っても医師法に触れない、として適切な対応を取るよう求める通知を出している。しかし、市教委は「通知は認識し、各校にも伝えていたが、注射は児童本人や保護者、搬送先の病院の医師らが使うものと考えていた」と説明。今後は研修会などで教職員に周知する。

 同省によると、埼玉県内の小学校で2008年12月、発症した男児に養護教諭が注射をして回復している。また、東京都教委は教員向け手引に「児童生徒が自ら注射できない場合は、ためらわず注射して命を救う必要がある」と記している。

 ◆アナフィラキシーショック=体に入った異物に過剰に反応するアレルギー症状。ハチ刺されや食品、医薬品が原因となり、呼吸困難や血圧低下で意識を失うことがあり、死に至るおそれもある。文科省によると、児童生徒の有病者数は全国で約2万人とされる。

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